- 2024-11-21
- ENTERTAINMENT, 来日
- 満ち足りた家族
11月20日(水)、東京・六本木のTOHO シネマズにおいて映画『満ち足りた家族』<2025年1月17日(金)より、全国ロードショー>のジャパンプレミアが開催され、チャン・ドンゴン、ホ・ジノ監督が登壇した。
本作で約5年ぶりとなるスクリーン復帰を果たし、日本のファンの前に姿を見せたチャン・ドンゴン。「こんばんは、チャン・ドンゴンです」と挨拶すると、会場から湧き起こる拍手と歓声。「久しぶりに作品を持って、皆さんに直接お会いできることをとてもありがたく思っています。皆さんとお会いできて、とても嬉しいです」と笑顔を見せた。
ホ・ジノ監督は「本作にたくさんの関心を寄せていただき、ありがとうございます。チャン・ドンゴンさんと一緒にこの作品を紹介できるかと思うと、本当に嬉しいです。この後、映画をぜひお楽しみください」と挨拶した。
多くの俳優が出演を嘱望する名匠ホ・ジノ監督とタッグ
チャン・ドンゴンとソル・ギョングの共演、名匠ホ・ジノ監督の最新作となる『満ち足りた家族』は、10月16日に韓国で封切られ、初日から3日間連続で興行ランキング1位を獲得。2023年秋のトロント国際映画祭においてワールドプレミアされると、その好評が瞬く間に伝わり、日本でも大きな注目を集めている話題作だ。
「本作が初めて公開されたのがトロント国際映画祭でした。そのときに海外の皆さんの反応がとても良かったので安心したのを覚えています。海外で文化の違いがあるにもかかわらず、本作の細やかなところまで共感してくれたことに安心しました。そして、韓国で公開され、メディアの方をはじめ、観客の方も高く評価してくださいました。日本の皆さんがどのように本作をご覧になるのか、とても楽しみでワクワクしています」とチャン・ドンゴン。
『八月のクリスマス』で商業長編監督デビューするなり韓国映画ニューウェイブの始まりをいち早く世界に告げたホ・ジノ監督。その演出力への絶大な信頼から、多くの俳優が出演を嘱望する名匠。本作でチャン・ドンゴンとは『危険な関係』以来となるタッグを組んだ。
「本当に素晴らしい演技を見せてくれています」
家族間の親密な描写を細やかに積み重ねながら、人間の心理の奥底に潜む淀みや揺れ動きを緻密に描き切った衝撃のサスペンス映画『満ち足りた家族』。
兄と弟それぞれに美しい妻と子どもがおり、何不自由ない“満ち足りた生活”を送っている。そんな最中、「ひとつの事件」が起き、大人たちは「子どもの秘密」を知ることに–。チャン・ドンゴンが演じるのは“道徳的であろうとする医者の弟”ジェギュ。“利益を優先する弁護士の兄”ジェワンをソル・ギョングが演じている。
ホ・ジノ監督は次のように語った。
「(チャン・ドンゴンとタッグを組むのは)自分の感覚としては5、6年ぶり、長くても7、8年ぶりかという感覚でしたが、実に12年ぶりとなります。本当に12年というのは長い時間でした。またこうしてチャン・ドンゴンさんとお会いできてすごく嬉しく思います。本作の撮影でも現場はとても楽しいものになりました。チャン・ドンゴンさんはといろいろなお話をして、その中でジェギュというキャラクターを作り上げていきました。いまから皆さんには映画をご覧になっていただきますが、チャン・ドンゴンさんは本当に素晴らしい演技を見せてくれています」
「『八月のクリスマス』を観た後、いつかぜひ監督とご一緒したいなと思っていました。その後に『危険な関係』という作品。これはオール中国ロケではあったのですが、その時にご一緒することができました。その時は、今までに出会ったことのない新しい演出のスタイルを持ってらっしゃる監督だというふうに思いました。当初は少し大変な思いもしましたが、実際にご一緒して、とても面白く興味深い現場となりました。私たち俳優をとてもリラックスさせてくださる、そんな監督です。もちろん、いろんなことに粘り強く取り組まれる監督ではあるのですが、私たちの話に耳を傾け、そして俳優のことを理解してくださる。それは本当に大切なことなんですが、それをしてくださる監督なので、私たちにとってはとても頼もしい支援軍を得たと思わせてくださる監督です。皆さん、記憶にあるかどうかわからないのですが、確か15年ほど前だったと思います。自分でタイトルを言うのも気恥ずかしいのですが『韓流四天王』というイベントが行われました。その時に監督が映像をディレクティングしてくださいました。それを含めると本作が3回目の共作ということになります。監督から初めて『満ち足りた家族』のオファーをいただいたとき、まずシナリオを読んで、とても興味深いなと思いました。今まで自分はどちらかというと、非日常的なキャラクターを演じることが多かったんです。たとえば、戦場に出ている人物、あるときは殺し屋。また、あるときはゾンビのようなキャラクターも演じてきました。そんななか、今回の作品でのキャラクターは非常に現実味のあるキャラクターでした。そこに興味を惹かれましたし、シナリオを読んだ時にも本当に面白そうだな、と思いました。そして、さらにはその作品の演出をホ・ジノ監督が行うと聞いて、これはいい作品になると確信しました」
言葉の多さからも、本作と監督への想いが溢れているチャン・ドンゴン。通訳の方に「お疲れさまでした」と労いの言葉をかけると会場からは拍手が起こった。
「裏側には隠れた本性というものがある」
本作でチャン・ドンゴンが演じるのは道徳的で善良的な医師ジェギュ。演じてみての感想を尋ねられるとーー。
「最初はこのシナリオを読んだとき、私が演じたジェギュという役柄に惹かれた理由のひとつが、現実にいそうな人物だということ。地に足がついた、現実的な役柄だと思ったということでした。道徳的であり、原理原則を大切に考える人、そしてボランティア活動も熱心に行っている人。とてもいい人に見えるキャラクターです。ただ、そんな人にも裏側には隠れた本性というものがある。それを映画の中で見せていけるのではないかと。より立体的なキャラクターとして演技できるのではないかと考えました。それが魅力的に感じて、この役柄を演じたいと思いました。実際に演じながら、このキャラクターは表面的な面だけではなく、監督といろいろと話しながら、彼の隠れている本性や弱点といったものを少しずつ出していけるといった点で、演技をしながらも、とても楽しい作業となりました」
イベントの最後にコメントを求められるとホ・ジノ監督は「本作『満ち足りた家族』は来年2025年1月17日に日本公開となります。今日、皆さんご覧になって楽しんでくださったら、ぜひ周りの皆さんにPRをお願いします」と語ったホ・ジノ監督。流暢な日本語で「よろしくお願いします」とアピールした。
チャン・ドンゴンは次のようにコメントした。
「韓国では本作はすでに公開されています。韓国国内でも、いろいろな場所に舞台挨拶に訪れました。ある劇場で壁にこんなことが書れてありました。『映画の中で答えを出してる作品は、劇場で観終わったらそこで終わる。しかし、映画で質問を投げかける作品の場合には、映画を観た後から始まる』という言葉でした。おそらく本作も映画を観終わった後に、皆さんいろいろなことを考えさせられると思います。どうかあれこれ考えを巡らせてみてください。本当に意味のあることを考えられる、そんな時間になると思います。いずれにせよ、ぜひ本作をお楽しみください。そして、周りの方にたくさんおすすめをお願いいたします」
『満ち足りた家族』
2025年1月17日(金)より全国ロードショー
配給:日活/KDDI
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