ドラマ『フォーリング スカイズ』主演、『ER』カーター医師役ノア・ワイリーのインタビューを入手!!

4月14日からスター・チャンネルで日本初独占放送がスタートする『フォーリング スカイズ』は、スティーブン・スピルバーグ監督総指揮&『ER 緊急救命室』のノア・ワイリーが主演のSF大作ドラマ。
これは、エイリアンに侵略された後の地球が舞台という異色のストーリー設定と謎に包まれたストーリー展開、人類とエイリアンの攻防、迫力あるアクションシーン、さらにスピルバーグならではの家族愛も描かれているという、一風変わったドラマなのだとか。
アメリカでは今夏にシーズン2が放送されることが決定している注目作で、主演のノア・ワイリーがERのさわやかな医者役とはうって変わってかなりワイルドな役柄を熱演。そのギャップも見どころなのだそう。
c2012 Turner Entertainment Networks. Photographer Cate Cameron
ノアワイリー
▲ルックスもワイルドになってます!!
そんなノア・ワイリーのインタビューを入手しました!!


<ノア・ワイリーインタビュー>
Q:話数の多いシリーズが多いなかで、『フォーリング スカイズ』はテンポが良くていいですね。特にストーリーの始まりがすでに混乱の最中というところが好きです。
A:そうですね。普通は日常の生活をだらだらと描いて、突如異変が起こるというのが典型的な設定ですが、『フォーリング スカイズ』はエイリアンの侵略から6カ月たった頃から始まり、登場人物はすでに極度な混乱の最中におかれています。これによってストーリーに背景となるエピソードを加えたり、フラッシュバックしたりできるようにもなるから、一層面白い構成にすることができるようになったと思います。
Q:スティーヴン・スピルバーグはどれほど製作に関わっているんですか?
A:かなり関わっています。彼の指紋がそこらじゅうに付いていると言ってもいいくらい。パイロット版(第1話)の最初の脚本制作にも参加していたし、もちろんキャスティングにも関わっていました。第1話の撮影中はセットにも来てくれて、編集に関するアドバイスや撮り直しのために絵コンテまで描いていました。その後はシーズンを通して全話映像をチェックし、完成版になるまで繰り返し編集指示を出してくれました。
Q:もし、実際にあなたがトムの境遇で、手に入らなくて一番恋しくなるものは何だと思いますか?
A:バラエティ豊富な食事ですかね。それから温かい食べ物。実はそういう点もちらほら描いているんです。非常時のよい点と悪い点というか、非常事態だからこそ家族の絆が深まる・・・とかね。シーズン中盤で第2連隊にいる妊婦の女性のためにベビー・シャワー(出産前のお祝いのパーティー)を開くシーンがあります。私自身、何度かベビー・シャワーに参加したことがありますが、このシーンでは単にプレゼントをあげて祝うのではなくて、この世に新たな生命をもたらすことへの喜びというスピリチュアルな意味があり、その新たな生命の親として、また周りで支える人間としての責任といった面が描けていると思います。
Q:この作品はほとんど映画のようなスケールだという高い評価が聞かれますが、いかがですか?
A:映画のようにするために脚本が作られているわけではありませんが、作品にスピルバーグさんの名前が付くだけで否応なしに映画と比較されがちだと思います。作品の価値も上がります。パイロット版の予算は破格だったので、他の回に比べてたくさん経費もかけられました。2話目以降を見てから判断していただくのが正確だと思います。でも、もちろん映画っぽい感じはあると思いますよ。
Q:1シーズン10話になっていますが、10回で十分描き切れると思いますか?
A:TNTのトップのマイケル・ライト氏と話した時に、もしセカンド・シーズンを製作することになったら、10話以上作るつもりがあるかと聞いたら、10話しかなければ、よりフォーカスした作りができて視聴者の気も集中させられると言っていました。私もその考えに賛成です。もし15話とか17話、またはネットワーク並みに22話、24話も作るのは時間と労力の浪費になる恐れがあるし、ありきたりなストーリー展開になってしまうと思います。彼もそれは避けたいと言っていました。彼はこの作品の仕上がりにとても満足していて、セカンド・シーズンも10話か最大12話までで、ファースト・シーズンと同じようにパンチのある構成にするべきだと話していました。
Q:この作品では家族愛が大きなテーマのひとつだと思いますが、この世紀末後の環境で家族を守ることについて、どのように描いていこうとしたのですか?
A:それが私がこの作品に興味を抱いたいちばんのテーマです。今まで関わったSF作品の中で、こういう魅力を備えていた作品はあまりありませんでした。でも、この作品で、宇宙船とエイリアンはスピルバーグの手にかかれば心配いらない。人間ドラマの部分さえ私がしっかり演じれば、この作品は素晴らしいものになる、と思ったのです。それから、ただ自分の家族さえ守れればと願っていた普通の男が、次第に重大な責任を担うようになり、300人もの生存者をまとめなければいけなくなる、という主人公の葛藤が面白いと思いました。でもやはりこの作品の核となるのは、人類にリセットボタンが押されたときに、登場人物たちが生き残れるのか、そして次世代の建国の父になり得るのか、という点だと思います。それから、これからも守り続けたいものは?  逆になくなってもいい余計なものは何だったか? という点。あとはもちろん家族の観念と人間関係の質ですね、この部分はシーズンの前半まででかなり良く描けていると思います。
Q:リーダーとしてのトムは他の作品に登場するリーダーと比較してどのようなキャラクターですか?
A:面白い質問ですね。普通はウィーヴァー隊長のような、軍隊で鍛えられた強いリーダーをキャラクターに据えて戦闘や任務に専念させるでしょうね。でもこの作品では、軍隊はほぼ根絶させられていて、民間人で構成された市民軍が訓練されているわけです。そこにトムの元教師という設定がぴったりくるわけです。ウィーヴァー隊長によって軍隊式に統率されるのではなく、トムが子供相手に武装術や護身方法を教えたりしているのです。この状況下では軍隊のようなドライな組織のリーダーよりも、軍人と民間人の間のちょうど良い役目を果たせるリーダーが必要とされている。そんな点で、トムは普通のリーダー像とは違いますね。
Q:この作品を他の作品と比べるとすると、エイリアンとゾンビを入れ替えて『ウォーキング・デッド』が思い浮かぶのですが、『フォーリング スカイズ』の方がバイオレンス度は低いですね。世紀末後の疎外された環境にあるキャラクターを演じるにあたり、どうやって役作りをしましたか?
A:『ウォーキング・デッド』を見ていないから比較はできませんが…。私自身について言えば、家族から引き離され5カ月も(オンタリオに)隔離されることほど疎外感を感じるものはありません。というのは冗談ですが、率直に答えれば、たくさん映画を見て、たくさん本を読んで、キャストみんなのトレーラーを行き来して交流を深めて、キャストみんなが同じように準備ができている状態になることが大事だと思います。エイリアンとの遭遇は自分の中の一番悪い部分との遭遇を映すメタフォー(比喩)だ、という話をよくしました。恐ろしいエイリアンを人格化させて、自分が絶対会いたくない何かとして考えるのです。そうすると恐怖はもちろんあるけれどもただの登場人物として見られるようになります。私たちキャストはそれでうまくやっていると思いますよ。
Q:今まで出た作品と比べて、アクション・シーンに対してどのように準備しましたか?
A:もっと準備するべきだったと思っています。他のキャストと一緒に2-3日防音スタジオに集まって、走ったり、銃の扱い方のトレーニングを受けたりしました。肉体的な準備としては、ドリュー・ロイ(長男ハル役)にはかないませんでした。彼は私の長男役を演じていますが、彼と私はシーズン前半かなり走ったりジャンプしたり潜ったり転がったりというクレイジーなシーンがたくさんあったんです。次第に慣れましたが、当然、毎日白いガウンを着る(「ER 緊急救命室」)撮影とは違いますね。
Q:スタントチームはいたんですか?それともご自分で全て演じたのですか?
A:両パターンありました。走ったり、滑ったり、跳んだりするのは俳優が実際にやった方が断然良く見えますから、結構自分でやりましたよ。トンネルで私がエイリアンと対峙したシーンでは、私が放り投げられるところ以外は全部自分でやりました。そのシーンは高いところまで持ち上げられて壁に打ち付けられるシーンだったのでワイヤーワークを使う必要があり、それはスタントマンがやりました。あとバイクの乗り方も覚えました。まだ少し怖いですけど。だからできるところまで自分でやり、それを超えたスタントを要求される場面ではスタントマンに代わっています。
Q:この作品には兄弟愛的なテーマもあるように思えます。ウィーヴァー隊長とトムは軍人と民間人でありながら、バンド・オブ・ブラザース的な関係が見えますし、メイソン3兄弟もありますし、トムとポープにもそのような関係が伺えます。
A:そうですね、まだ種明かしはしたくありませんが、シリーズが始まる時は色々仕掛けてみるものです。その後それぞれの人間関係がどんな意味をもっていくかはまだ秘密です。ただ明らかに、異星からの外部侵略のような事態では共通の敵を前に、人種や貧富、老若の壁なんて一瞬にしてなくなってしまうものです。でもその敵のことを少し忘れて一息つく時間ができるとどうなるか?元に戻ってまた心が狭くなり排他的になるのか…、こういうところも今後描く価値のあるテーマですよね。
Q:どうしてこの作品に出ようと思ったのですか?
A:色々な要素が重なりました。よい脚本がよいタイミングで私が仕事したいと思っていた時に来たということです。『ライブラリアン』に出演してここ数年素晴らしい関係を築いてきたTNTとまた仕事をするチャンスでもありました。『ER 緊急救命室』を製作総指揮したスピルバーグ氏とまた仕事ができるチャンスでもあったし。それに私にとってこれは新しいジャンルで、今までと全く違う役柄だったからやり甲斐があると思ったんです。年に22本や24本でなくて、10本の撮影でいいというところも魅力でしたね。
Q:撮影のなかで一番大変だったことは何ですか?
A:すべてがかなり大変でした。いつもスタジオではなく現場で撮影していましたから。さらにほとんどの撮影が夜に行われました。厳しい天候のなか昼夜長い時間をかけて撮っていました。おそらく今まで経験した仕事のなかで一番身体的にきつい仕事だったと思います。走ったり、ジャンプしたり、転がったり潜ったり。あざや切り傷もたくさんできたけど、楽しかったですよ。
Q:期待の高い作品ですが、プレッシャーはありますか?
A:この時点で私達にできることはもう流れにまかせるしかないですから。フルシーズン撮影完了しましたし、完成しています。私達がセカンド・シーズンに進めるかどうか、あとは視聴者次第です。ですから、特にプレッシャーは感じていません。TNTはこういう新しいタイプの作品を製作し、大きな賭けに出たと思います。製作にも宣伝にも巨額の費用がかかっています。製作側ともパートナーとしてとても良い関係を築いてきましたから、成功するといいなと心から思います。ただ俳優というのは後ろを振り返らず、最善を尽くして前進し続けなければいけないんです。
Q:あなたのキャラクター、トムについて教えてください。
A:意志が強く、倫理的な考え方に基づいて行動する人間です。でもシーズン前半はウィル・パットン演じるウィーヴァー隊長の指示に疑問を抱いて反発しがちなところはあります。いずれ副隊長としての責任を自分の中で受け入れていきます。
Q:銃の扱い方に加えて歴史的なことにも詳しくならなければいけなかったと思いますが、撮影に入る前にどの程度歴史の勉強をしましたか?
A:実はもともと歴史好きなので。アメリカ史の本を読むのは全く苦になりません。いつも枕元で読んでいますから。史実に忠実かとか、台本に必要かとか考えながらリサーチするのは好きです。私にとって仕事を通じて勉強を続けられるのは本当に楽しいことです。銃に関しては、撃ったことはあるけど、これほどまでには経験はありませんでした。約1週間扱い方とセーフティーの指導をうけて、防音スタジオで他のキャストとフォーメーションを組んで走ったりしながら撃つ練習をしました。
Q:これほどのCGIと、エイリアンの着ぐるみを使うような撮影は初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
A:CGIは少し経験したことはありますが、実際はないものを見えている風に演技をするのは難しいです。本当に、本当に、本当に、やっていてばかばかしく感じるんですけど、編集してそこに宇宙船やエイリアンがはめこまれた映像を見ると、ちゃんと出来上がっているんですよね。
Q:『フォーリング スカイズ』の魅力は何だと思いますか?
A:SF、アクション・アドベンチャー、人間ドラマのすべてがバランスよく描かれていることだと思います。TNTの視聴者に今までSFファンはあまりいなかったかもしれないけど、この作品を見て満足してくれるドラマファンはたくさんいると思います。そしてSFやエイリアンの侵略とかが好きな人たちももちろん満足してくれると思います。SFファンは最初懐疑的ですが、気に入るとすごくハマってくれるんですよね。
Q:『ER』のドクター、ジョン・カーターとトム・メイソンはどう違いますか?
A:トムはカーターと同様頭が良くてコミュニケーションスキルにも長けている。でもトムの方が少しタフで、中流階級的なメンタルを持っているというか。笑えるキャラクターではないですね。でもとても強い道徳的・倫理的観念を持っている部分は共通していると思います。
Q:他にもたくさんエイリアンや地球侵略を描いた作品がありますが、この作品はそれらとどう違うと思いますか?
A:『ウォーキング・デッド』も『EVENT』も見ていないから比較しては何とも言えませんが、聞く限りで言えばこの作品は人間ドラマ・家族の物語の“背景”としてエイリアン侵略とそれに伴うアクションシーンを使っているところだと思います。
Q:あなたがこの作品で一番惹かれた部分はどこですか?
A:パイロット版(第1話)の脚本とそれに関わるクリエイティブな部分です。TVの経験はないと思いますが『プライベート・ライアン』と『The Patriot』の脚本を書いたロバート・ロダットの脚本が素晴らしいと思いました。それにTNTともここ数年一緒に仕事をしてきましたからとても良い製作陣になることは分かっていました。それからドリームワークスとスピルバーグ氏とまた一緒に働けるチャンスということ。宇宙船もエイリアンも格好良いものができると確信できたし、どんな肩書であれスピルバーグの名前がつくと、作品がどんどん良いものになっていきます。宇宙船はスピルバーグ氏がデザインしたんですよ。
Q:パイロット版の製作は数年前に始めたそうですね? やっと放送されるのはどんな気持ちですか?
A:テレビ史に残る最長の“妊娠期間”のような気分です。そして自分で私の中から赤ん坊を取りあげることもできないし。そんな感じです。
エイリアンに侵略された後の地球はどんな感じなのか、気になりますね!!
『フォーリング スカイズ』
4月14日(土)から日本初独占放送スタート
公式サイト
問:スター・チャンネルカスタマーセンター
Tel:0570-013-111 [10:00~18:00 年中無休]

(makiko)

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