ペネロペ・クルス「子どもを産んでから、この役を演じたのはおもしろい経験だった」映画『ある愛へと続く旅』インタビュー

11月1日から公開の映画『ある愛へと続く旅』は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で夫を亡くしたイタリア人女性のジェンマが、16 年後、サラエボを再び訪れ、亡き夫からの深い愛の真実を知る姿を描いた作品。この映画で、主人公ジェンマの女子大学生時代からミドルエイジまでを熱演している、ペネロペ・クルスのインタビューが届きました。
© Alien Produzioni / Picomedia /Telecinco Cinema/ Mod Producciones 2012
ある愛:サブ4(軽)


STORY

サラエボに留学していた女子大生のジェンマ(ペネロペ・クルス)は、若きアメリカ人ディエゴ(エミール・ハーシュ)と出会い、一瞬で恋に落ちる。結婚したふたりは、ローマで新婚生活を始めたがボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が勃発したため、カメラマンのディエゴは、戦場の現実を記録するためサラエボへ。後を追ったジェンマは人道支援活動に参加し、以前とは違う状況下のサラエボに暮らし始めたのだった。そんな日々の中でもジェンマはディエゴとの子供が欲しいという夢を捨てきれず、代理母により息子を授かる。しかし戦況は悪化の一途をたどり、息子を連れてイタリアに帰国したジェンマだが、ディエゴはパスポートを持っていないことを理由に一人サラエボに残ることを余儀なくされた。──それがジェンマとディエゴにとって永遠の別れになることも知らない二人だった…。


Q:『ある愛へと続く旅』の原作を読んだ感想は?
ペネロペ:私が今までの人生で読んだ中で、一番強烈で美しいストーリーでした。映画『赤いアモーレ』の原作「動かないで」を読んだときと同じように感動しました。「動かないで」は飛行機の中で読んだのですが、涙がこぼれてきて、あの物語とあの主人公に取りつかれたようになったんです。今回も同じように感動しました。物語は全く異なりますし、主人公も昼と夜ほどの差があります。でも私は彼女たちに同じ情熱を感じました。勇気をもち、小説を映画化ができて本当に良かったと思います。このような物語を映画化するのは本当に難しいことですから…この原作本は傑作です。
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ある愛:サブ2(軽)
Q:ジェンマ役を演じた感想を教えてください
ペネロペ:3~4年くらい前から、監督とこの本の映画化について話し合ってきました。女性としても女優としても、自分の子供を持ってからこの映画を撮れたことは、とても面白い経験でした。なぜならジェンマが今どの時点にいて、どの時点には決して達することがないかがより理解できるからです。私の人生経験がなかったら、ジェンマの気持ちを違う風に理解していたと思います。この役を演じてとても幸せでしたが、非常につらく、暗い日々も過ごしました。あの地に行かないで、この役を演じるのは無理ですから。私は、ジェンマという役に対して尊敬と愛情を感じています。撮影が終わったら、ジェンマを手放さなくてはなりません。ジェンマの衣装を脱いだら、またそれを身に着けることはないんです。とても変な気持ちで、寂しくもありますが、一つの過程を完了することは嬉しくもあり、すごく変で、混乱した気分でした。
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Q:映画の舞台となったサラエボはいかがでしたか?
ペネロペ:サラエボはすごい街です。人々も含めて…。現地に行かなければ、あの戦争のことを理解するのは難しいです。自分の目で場所を見て、どのような位置づけなのかを見ない限り。人々と話さない限り。信じられないような戦争です。私やあなたたちの国からこんなに近いところで起きていたこととはとても信じられません。私の心の中には、今、いつもサラエボがあります。また行かなければと思っています。忘れられないんです。特別な場所で、他とは違うエネルギーがみなぎっています。世界のどんな街とも異なっています。私は2回行きましたが、1回目は夏の初めで、2度目は11月でひどく寒かった。現地に行くと、まだ病院が破壊されたままだったりするのを見たり、子供を亡くした女性の話を聞いたりすると悲しくなります。
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Q:20代から50代のジェンマを演じ分けたことについてどう思っていますか?
ペネロペ:このような年代を旅する役をいただけて、とても光栄です。50代の現在を撮ってから若い頃の役に戻るのは面白かったです。普通の撮影なら逆なのに・・・。戦争中の場面や、彼女がサラエボでやっと自分の息子を見つけるシーンなど強烈な場面を撮りましたが、すでに思春期の息子との関係を撮影した後だったので、とても面白い経験となりました。
Q:この映画のラブストーリーの部分については、どのように感じていますか
ペネロペ:とても美しいラブストーリーです。ラブストーリーがうまく作用しなければ、残りの部分も無意味なものになります。なぜなら、この映画は彼女が永遠に失った愛を描いているからです。そして、彼女の人生にはずっとこのことが残っているのです。彼女は人生最大の愛を、悲惨な形で失くしてしまったのですから。ですから幸せな時、希望にあふれている時というのは、監督が言うように、おとぎ話のようでなくてはなりません。その部分がとても素敵です。また友人ゴイコとの関係も素敵です。すごく特別な友情なんです。おそらく別の状況だったら、彼との関係はまた別のものになっていたかもしれませんが、そうはならない。彼女が愛しているのはディエゴだから。素晴らしい原作本に感謝しますし、監督と奥さんである原作者が一緒に書いた台本にも感謝しています。この映画の台本が一番難しかったはずです。私は台本を読んだ時には驚きました。全ての見るべき心臓部が含まれていて、映画で観なければいけない全てが含まれていたのです。
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ある愛:メイン
『ある愛へと続く旅』
11月1日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
公式サイト

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