- 2023-12-19
- ENTERTAINMENT, 来日
- アリ・アスター, ボーはおそれている
⽇本でスマッシュヒットを記録した『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の最新作映画『ボーはおそれている』。主演は、本作でゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされ、『ジョーカー』でアカデミー賞®主演男優賞を受賞。『ナポレオン』も全世界でオープニング興収1 位を記録したホアキン・フェニックスが務め話題になっている本作。
この度、来年2 ⽉16 ⽇(⾦)の劇場公開に先⽴ち、アリ・アスター監督が、3 年ぶりに来⽇したことを記念し、⽇本最速上映となるジャパンプレミアを開催︕⽇本の映画ファンを代表し、アリ・アスターの⼤ファンでもある⼋代⽬・市川染五郎がサプライズゲストとして登壇、監督の来⽇を祝するために駆けつけた。
先週発売された本イベントのチケットはなんと2 分で完売!先⽇発表されたゴールデングローブ賞で主演のホアキン・フェニックスが主演男優賞にノミネートされ、マーティン・スコセッシ監督、ポン・ジュノ監督、ギレルモ・デル・トロ監督らも⼀様に絶賛、改めてその⼈気を⾒せつけた天才の新作をこれから初めて鑑賞する⽇本の観客に向けてアリ監督は「この映画は⻑年作りたいと思っていた作品です。トーンがころころ変わるから、今のシーンいいな!と思ったら…。すみません、すぐに変わります。逆にこのシーン嫌だなと思ったら…喜んでください。すぐに変わります」と、まずは、ユーモア交じりに本作をPR。
前作『ミッドサマー』が北⽶を除いて世界で⼀番ヒットしたのは、実はここ⽇本。アリ監督は「その理由はきっと、⽇本の観客が最⾼だからでしょう。是⾮とも『ボーはおそれている』でもその記録を樹⽴してほしいです!」と観客に呼び掛ける。
そんな中、アリ・アスターの⼤ファンだという染五郎が花束を持って登壇、アリ監督に贈呈!前回の来⽇時、歌舞伎を観劇したというアリ監督は、その際に受けた衝撃を本作には⾊濃く反映していると明かし「美しさに圧倒されて、その⾜でホテルに帰って『ボーはおそれている』の脚本の、とある場⾯を書き直しました。それだけ私に⼤きな影響を与えた出来事でした」と告⽩。嬉しい事実に染五郎は「歌舞伎に携わる者として純粋に嬉しい。歌舞伎は⽇本が誇るエンターテインメント。⽇本の皆さんはもちろんのこと、アリ監督のような海外の素晴らしいクリエイターに影響を与えているなんて」と喜びもひとしお。
また染五郎は「歌舞伎とアリ監督作の共通点は、グロテスクな表現さえも美しく⾒せてしまうところ。そこが歌舞伎とアリ監督作品の魅⼒でもある」と分析し、そして⽇本で⼀番有名な“怪談の定番”『東海道四⾕怪談』をおすすめ!これを受けたアリ監督は「是⾮とも観劇したい。上演する際は教えてください」と興味津々だった。
先んじて本作を鑑賞した染五郎。「ホアキンさんの芝居に圧倒されました」と絶賛!そして「ホアキンさんとはどんな空気感と距離感で作られたのかを知りたい」と質問、アリ監督は「ホアキンは役者として全⾝全霊で役に向き合うタイプで、⾊々とチャレンジをしたがる。私の指⽰に対して彼なりに⾊々とアレンジして試す。私も彼の好きにやってもらって新しい可能性を広げていくのがとても楽しかった。ホアキンと仕事をすると演出や芝居が常に変化して⽣々しいものになる」と回答し、染五郎も「⾊々な事にチャレンジしてその中で良い物を選んでいくやり⽅に僕も感銘を受けました」と満⾜そうだった。
⽇本が⼤好きなアリ監督。「実は先週から⽇本に来ています。というのも⽇本が世界で⼀番好きな国だからです。こんなに⼈⼝の多い都市なのに、とても静かで安⼼できる場所はありません。料理の出され⽅、靴の脱ぎ⽅⼀つにしても丁寧。そこに驚きと感銘を受けます。前回アメリカに帰った時にそんな⽂化が恋しくなったので、今回の来⽇で懐かしくなりました。⽇本は美しい⽂化を持つ国の⼀つです」とジャパニーズカルチャーを絶賛。すると染五郎は、奈良県の⻑⾕寺にある⼗⼀⾯観世⾳菩薩⽴像をおすすめして、アリ監督から「素晴らしい!是⾮その場所に連れて⾏ってください」とおねだりされていた。
短い時間ながらも、すっかり親交を深めた2⼈。司会から「染五郎さんで映画を撮るなら?」と聞かれたアリ監督は「恐ろしい秘密を隠し持っている歌舞伎⼀家の話がいい。染五郎さんは善⼈のようでありながら悪⼈という役どころ」と具体的プランに⾔及。これに対して染五郎は「実際にそんな⼈だと思われていたら嫌だけれど…」と苦笑いしつつ「役としてだったら、ぜひやりたい」と前向きに答えた。
最後は、ゴールドの法被を⽻織ったアリ監督と染五郎でヒット祈願の鏡開きを実施。「ボーは?」の呼びかけに対して「おそれている〜!」という観客の発声をきっかけに2⼈仲良く⽊槌を振り下ろしていた。
最後にアリ監督はこれから本作を観る観客に向けて「僕の内臓を泳ぎ回るかのような体験を楽しんでほしい。1回と⾔わず2回は観てほしい」と期待。染五郎も「映画館で観たという表現だけでは⽚づけられない、夢の世界にいたのではないかという思いが⽇にちを重ねれば重ねるほど強くなっています。⾃分ももう⼀度映画館で観たい」と早速『ボーはおそれている』の沼にハマっていた。
『ボーはおそれている』
2024年2月16日(金)全国公開
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