- 2011-12-7
- NEWS
現在、公開中の映画『ハッピー フィート2 踊るペンギン レスキュー隊』。みなさん、もうご覧になりましたか? 水族館でも大人気のペンギンたちですが、彼らが真っ白な南極大陸を舞台に歌って踊る、その様子(アニメですが)を見るだけでも楽しいのですが、各ペンギンのキャラが立っていておもしろいんです!!
なかでも、沖縄弁をしゃべるお調子もののラモンに魅せられた方は多いのでは? ラモンは、日本語吹き替え版では山寺宏一さんが演じているのですが、実は派手なセーターを着たラブレイスと1人2役の大活躍。オリジナル版ではベテラン俳優のロビン・ウィリアムスが、2役で大熱演しています。
そんなロビン・ウィリアムスのインタビューを入手したのでご紹介!!
Q:本作への出演を決めた理由は?
RW:また同じメンバーと仕事ができるということ。監督はジョージだし、アミーゴスが出るし、ソフィア(・ベルガラ)やハンク(・アザリア)といった新メンバーもいる。なによりも1作目が素晴らしい体験だったってことだよ。それに1作目と違う形で、かつ、もっといい作品にできると思わない限り、ジョージは続編をやりたがらないはずだ。だから完成版を観たとき、僕は、「ジョージは目標を達成したな。彼は1作目の枠を超えた作品に仕上げた」と言ったんだ。
Q:本作にはどんなテーマがありますか?
RW:父と子、そして良くも悪くも、どんな信念体系をもつかということ。強い意志をもてば、実現できる。でも、ペンギンの場合、飛ぶことはかなり難しい。今回、彼らが置かれた困難を乗り越える唯一の方法は、協力することなんだ。それは個々の協力かもしれないし、3羽の協力かも、あるいはひとつの群れ全体が別の種の群れと協力することかもしれない。とにかく、生き延びるためには団結するしかない。それくらい大きな壁に彼らは直面する。
Q:南極の生態系に関して本作が放つメッセージは?
RW:小さい魚が出てくる冒頭で描かれているように、南極の生態系は実際に変化している。1作目のために、製作陣が南極に撮影に行ったときにあったプレートが、1年後には全部なくなっていた。それは溶けたか、映画で描かれたように、緑地化したんだが、いずれにせよ、生態系全体が変化している。この映画でもっとも悲しい映像のひとつは、1頭のシロクマが小さな氷山に乗っていて、そこへシャチがやってくる。あれが南極の現実なんだ。それが我々に影響を及ぼすか?ああ、最終的にはね。海の水位が上がっているんだから。僕はサンフランシスコに住んでいるんだが、それを考えると、「どうすればいい?」と突然、うろたえるよ。だから、この映画のメッセージの中には、それが問題であること、そしてそれをどう対処すべきかということが含まれている。
Q:あなたが演じるラブレイスとラモンはどんなキャラクター?
RW:ラブレイスは、かつては“信徒”を従えた教祖サマだったわけだが、(油膜の中から)救われ、名誉を挽回しようとする。そして、自分よりパワーのあるスベンという存在を見つけたんだ。飛べるペンギンなんて奇跡だからね。「奇跡だ! だから私はスベンを信じる!」と言うわけ。実際、純粋なペンギンとはいえないわけだからニセの奇跡なんだけど、ラブレイスは、その意味でニセの予言者であるスベンに従い、彼を連れ回す。そして、スベンの驚くべき能力を見せつけられたペンギンたちも、こう信じるようになる。「彼が飛べるなら自分だって」とね。でも、飛べない。だから、最終的には根本に戻り、「じゃ、飛べないならば、どうすればここからあそこへ出られる?」と考えるわけだ。
ラモンに関しては、とにかく愛だね。愛がすべて。(スペイン語で)“シエンプレ・アモーレ”。彼はいつも恋していたいし、恋に恋していたい。そして、ついにカルメンと出会うと、「俺の夢だ。俺の夢がすぐそこにいる。でも、彼女はあっちへ行こうとしてる。なぜ俺から離れていく? それは、俺のとこに戻ってくる口実を自分に与えるためだ」という感じ。そして、拒絶さえ、逆の意味にとらえて、「これだけ俺は猛烈に恋してるってこと。彼女は俺を愛する。今じゃないけど。もしかしたら、永遠にそうならないかもしれないけど、そんなことどうでもいい。彼女はそれだけ価値のある女なんだ」
Q:アニメーション映画の収録プロセスの楽しさとは?
RW:この映画では、ほかのキャストと一緒に収録できる。アミーゴスやソフィアや監督のジョージやイライジャやハンクが同じブースに集まるので、とてもやりやすいんだ。ほかの映画のときは、ほとんど1人なので、その楽しさを忘れてたよ。この映画の収録プロセスは、一緒に演じることによるエネルギーを作り出せるので、それが演技にも役立つんだ。それにジョージはほんとにみんなを奮い立たせる。名コーチみたいに、最高のものを出したいと思わせるんだ。そして、僕たちは実際に最高の演技をする。自分ができると思う以上のものを出すんだ。僕がふざけて大げさにセリフを言うと、ジョージは、「それ、もっとやって」と言う。僕が1テイク終えたあとで、またふざけて変なしゃべり方をしていたら、彼が、「ロビン、それもっとやってよ!」。僕の「甘い愛をちょうだい~」みたいなでまかせのゴスペルをヒントに曲まで作ったんじゃないかな。そして、映画の最後にあのラスタ風の声音を使ったのは、単純に、レゲエ風のカラフルなラスタ・ハットをラブレイスがかぶってたせいなんだけど、ラブレイスが歩き去るときに、(リズムをつけて)「俺とあっち向く俺、俺と俺。1つの国。1つの国、マンブル、1つの国」とやったら、ジョージが、「それ使うぞ」って。僕は「そっか、よかった」みたいな。彼は万事、そんなふうなんだ。(台本になくても)俳優が何かやってみせると、彼は、「それ、やってみよう」と言う。そして彼は俳優にそのまま続けさせるんだ。
Q:完成した映画を観た感想は?
RW:自分が出演者だったり関係者だったりすると、(完成した映画を観るのは)妙なものだよね。だから僕は妻に、「予想どおりのいい出来?」と聞いたら、彼女は、「ええ、もちろん」と答えた。まず、南極を3Dで描くという点だけど、「白いんだから、3Dで観てどうだっての?」と思うだろ。でも、舞台となる大地の奥行きとか、あのダンスナンバーとか、個々のペンギンが、(映画監督・振付師の)バズビー・バークレイ風の大がかりな振付によって無数のダンサーにパワーアップされるところとかがじつに効果的だった。それにとくに美しいシーンは水中なんだ。オキアミ、大洋、クラゲ……そういったものが、ほんとうに幻想的なんだよ。まるで夢を見ている感じだ。以前、誰かに「こういう技術はどこまで進化すると思うか」と聞かれたんだが、僕はどこまででも行くと思う。考えつくことは、実現できる。結局、どこまで金を注ぎ込めるか、そしてアニメーターの想像力の問題になるのだが、後者のほうは今、かなりすごいことになっているよ。
というわけで、ペンギンたちが披露する80年代の名曲の数々と、大ピンチに直面したペンギンたちがどう乗り越えるかにも注目☆
『ハッピー フィート2 踊るペンギン レスキュー隊』
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
c 2011 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
ロビンも語っていた、キャストが集まって行う収録の様子をおさめた動画を発見したので、貼りつけておきます!! ロビンは4分過ぎに登場しますが、他にグローリア役のPink、マンブル役のイライジャ、スヴェン役のハンク・アザリアの姿も。