ドラマ『ウェイワード・パインズ 出口のない街』M・ナイト・シャマラン監督にインタビュー!

世界125の国と地域で同時放送され、早くも日本で話題沸騰中のドラマ『ウェイワード・パインズ 出口のない街』。
先日、製作総指揮を務めるM・ナイト・シャマラン監督と主演のマット・ディロンが緊急来日し、記者会見が行われました。セレブ★タイムズでは、シャマラン監督に同作の魅力、そして監督自身についてインタビューで語ってもらいました!
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Q 世界125の国と地域で同時放送というスタイルをとった理由は?
 世界のいろんなところで同時に観ることができるのはスペシャルなイベント感が出るから、イベント性ということもあったね。ただ、アメリカのドラマが必ずしも各国で共感を得られるわけではないんだ。『ウォーキング・デッド』など、いくつかの限られた作品は各国で楽しんでもらえているけど。そういう意味においては、テレビ局はこの作品は世界的にヒットするだろうという確信があったから、パイロット版が出る前に全世界で同時に観たほうがいいと考えたのだと思う。たぶんFOX史上一番大きなローンチングになったんじゃないかと思っているんだ。同じ作品を同時に最大数の人が観たんじゃないかな。まだ数え切れてないけどね(笑)。
Q ベストセラーの小説が原作ですが、最初に原作に触れた時の印象を教えてください。
 少し皮肉めいたユーモアがあって、気味の悪い笑いを提供しているんだよ。そこが良かったんだ。多分、ドラマは原作よりもう少しリアリティ感を出しているとは思う。ただ、原作にあるようなウィットに富んだ会話とか、そんなに真剣ぶっていないトーンは取り入れていると思っている。原作の謎の設定というのは本当に壮大なアイディアなので、自分が考えたら良かったのにって。時々あるんだよね。『ダ・ヴィンチ・コード』とか『ジュラシック・パーク』とかがそうなんだけど、「自分が思いつきたかった!」という作品が(笑)。『ウェイワード・パインズ』も同じなんだ。
Q  作品でのマット・ディロンはすごい存在感でした。一緒に仕事をされるのは初めてだそうですが、彼の俳優としての魅力とは?
 マットの存在感はスターが備えているクオリティの一つなんだ。それを表現する言葉がないんだけど、英語だったら「It」(=あの人は“何か”を持っている)。たとえばカメラを据え置きにして、普通のおじさんが「コーヒーもらえるかな?」って言うのと、マットが同じ状況で「コーヒーもらえるかな?」と言うのを撮ったとしよう。何かが違うんだよ。マットの体内で何かうごめいているものがあり、それをカメラがちゃんと捉えて、すごくカッコいい。ところが、おじさんを撮影した映像は「間違えて撮っちゃったんじゃないの?」みたいになるんだ。説明できない“何か”スペシャルなものを持っているんだよね。
多分、スター性を持っている人たちっていうのは、体内の中に「核」となるものがしっかりしているんだ。演技している時もドッシリ感がある。僕自身、作品に時々出演しているんだけど、自分が演技している時にそのドッシリ感が時々揺らいでしまうときがあるんだ。自分でも感じるんだよ。揺らぐとどんどん曖昧になってしまう。ドッシリ感っていうものは、動かないから美しいんだ。そして、役にかける思いが邪念なくそのまま伝わってくるから素晴らしいんじゃないかな。
Q 初めてのテレビドラマの制作現場で「これは驚いた!」と思われたことがあったら教えてください。
 プレイバックがないことだね。普通は撮影後、すぐにプレイバックを見て、そのシーンがどう撮られているのかを確認するんだけど、テレビドラマではそれがないんだよ。でも、本当は映画でもそれをずっとやりたいという密かな願望があったんだ。だから、テレビドラマの現場で「プレイバックはない」と言われたとき、ちょっと怒りそうになったんだけど、「いや、ちょっと待てよ。これは自分のやりたかったことじゃないか」って。やってみたら、すごく良かったんだ。プレイバックがないというのは、より意識を持って撮影に挑んで、俳優と気持ちを深めなくてはいけないから、新しい監督として生まれ変わったようなものだね。実際この方法が気に入ったから、次の映画も同じようにプレイバックなしで撮ったんだ。だから、最初に観たときは新鮮だったよ。
Q これまで監督が撮られた作品には怖さを感じます。監督自身に怖いものはあるのですか?
 結局、恐怖のテーマというのは自分自身のパラノイアから生まれているところがあるんだ。たとえば「愛する人がなくなったらどうしよう」「世界が終わってしまったらどうしよう」とかね。『アンブレイカブル』は、「自分の存在価値がないんじゃないか」という恐怖から生まれているんだ。『ウェイワード・パインズ』は、「家族の元に戻れなかったらどうしよう」「街から抜け出せない」といった恐怖だよね。すごくストレートな恐怖なんだ。秋に公開される『THE VISIT(原題)』という映画は「老いることへの恐怖」がテーマなんだよ。
Q もし、監督が日本でドラマを撮るとしたら、どんなドラマを撮りたいと思われますか?
 それはとてもいい質問だね。実は仮定ではなくて、本当にそういう願望はあるんだ。各国の地元で、シャマラン美学が入っている作品をお手伝いすることがあればやってみたいと思っているんだよ。
Q 楽しみにしています! ありがとうございました。
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『ウェイワード・パインズ 出口のない街』
FOXチャンネルで毎週金曜よる10時~放送中  ※8月より第1話~再放送予定
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンより6月26日(金)デジタル配信開始
DVD今秋リリース予定
放送局:FOXチャンネル
発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

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