- 2015-5-29
- NEWS
19世紀末のフランスに実在した三重苦の少女マリー・ウルタンと彼女を教育したシスター・マルグリットの奇跡のストーリーを映画化した『奇跡のひと マリーとマルグリット』。そのプロモーションのために初来日したマリー役のアリアーナ・リヴォアール(20)が、初めての映画出演について語ってくれました!
▲アリアーナ・リヴォアール。
<STORY>
19世紀末のフランス。聴覚障がいを持つ少女たちのための学院を併設する修道院に、生まれつきメモ耳も不自由な少女マリーがやってくる。しつけも教育も受けずに育ってきたマリーは野性動物のようにどう猛で、誰にも心を開かない。不治の病を抱え、近づく死の気配をかんじながら日々を過ごす修道女マルグリットは、自らマリーの教育係を申し出る。
アリアーナ自身も聴覚にハンディキャップを持つフランス国立聾学校の寄宿生で、マリー役を盲者もしくはろう者の少女にオファーしたいと考えていた監督のジャン=ピエール・アメリスによって見いだされた20歳の新星。シスター・マルグリット役はセザール賞主演女優賞も受賞したイザベル・カレが演じています。
Q:実在したマリーとマルグリットの物語は以前から知っていたんですか?
アリアーナ:いいえ、知らなかったんです。アメリス監督が発見した物語で、監督もそのときまで知らなかった。有名な話ではないんですよ。
Q:出演するまでの経緯を教えてください。
アリアーナ:学校の食堂で監督が見いだしてくれたんです。そのとき企画とマリー・ウルタンの話をしてもらいました。それから共演のイザベル・カレも同席してシナリオを読み込む打ち合わせを時間をかけてやりました。そのおかげでマリーの人生のディテールを理解することができたと思っています。また、その打ち合わせを通じて、私たちも意気投合し、とても温かみのある人間関係を築くことができ、今回の撮影は私の生涯で忘れることができないものになりました。
Q:まだ言葉を知らないマリーにマルグリットが教育するときのまるで格闘のようなシーンはどうやって撮影したのですか?
アリアーナ:あのシーンは青あざができましたよ! 大まかな振り付けはあったんですけれど、やッぱり自発的な動きがついつい出ちゃいますよね。それは編集された映画のなかにも残ってます。
Q:野生児の頃と言葉を理解した後のマリーの変化はどう演じたのでしょう?
アリアーナ:割とシンプルに演じました。最初、マリーは野獣のようでしたが、その後マルグリットの熱心な指導のおかげで世界へと開いていきます。するとだんだんと彼女のなかにニュアンスがうまれ、コミュニケーションの仕方や行動そのものにも繊細なものが生まれてくるし、他の人物との会話を通して深みがでてくるわけです。映像のなかにはありませんが、マリーはブライユ点字も学びましたから、そういうものを通して成長していった人です。
Q:共演のイザベル・カレの印象は?
アリアーナ:すぐに意気投合しました。イザベルも手話を学んでくれたので、撮影の合間、カメラがまわっていないときも手話でずっとふたりだけで話していたんですよ。待ち時間はずっとおしゃべりしてましたね。
Q:初めての映画出演、撮影の感想は?
アリアーナ:この映画を初めて見たとき、素晴らしい映画だと心から思いました。でも、それよりも驚いたのが、撮影現場には大勢のスタッフがいて、機材もいっぱいあって、そのなかで少しずつ撮っていくこと。そしてそれがひとつのストーリーにまとめられるのを見て、映画はマジックだと感じました。
Q:以前から女優になりたかったのですか? 今後の目標は?
アリアーナ:今回、映画に出たことは想定外の出来事。女優になりたいとは考えたこともなかったです。私自身は先のことを決めて、それに向かっていくタイプじゃない。今後、自分に何が訪れるかわかりませんが、それをオープンな気持ちで待っている状態です。子どもの頃からヒップホップが大好きなので、映画だったら、武器を持って戦うようなアクション映画にでてみたいですね。
Q:マリーと自分の共通点はありますか?
アリアーナ:小さいとき、マリーが登ったよりもっと高い木に従姉妹と登ってましたよ!
Q:初めての日本の印象は?
アリアーナ:車と建物がスゴイ。それにみんなとても礼儀正しい。フランス人と違ってみんな感情をあまり表さないし、髪の色がみんな黒いと思いました。フランスとはレストランも違い、内装がシンプルですね。フランスのレストランはもっとゴチャゴチャしてますから。日本語は意味はわからないけれどとても美しい字体だと思うし、食べ物もおいしい。水もおいしいですね。
『奇跡のひと マリーとマルグリット』
6月6日(土)〜シネスイッチ銀座 他全国順次ロードショー!
配給:スターサンズ
公式サイト