先日開催された第94回アカデミー賞授賞式で、ウィル・スミス(53)の妻ジェイダ・ピンケット・スミス(50)の容姿をジョークにしたことで、ステージ上でウィルから平手打ちされたクリス・ロック(57)。
その時、プレゼンターを務めていたクリスは、会場の最前列に座っていたジェイダに向かって「G.I.ジェーンの続編を楽しみにしているよ」と発言。すると、ジェイダの隣りにいたウィルが突然ステージ上に上がってきて、彼に平手打ちを食らわせたのです。
ジェイダはバズカットのヘアスタイルですが、それはファッションではなく脱毛症のため。そんな妻のヘアスタイルをジョークのネタにされ、ウィルは激怒。平手打ちだけではなく、客席に戻った後も「Keep my wife’s name out of your f***ing mouth!!」(妻の名前を口にするな!!)と放送禁止用語を交えて叫びました。
その後、ウィルはノミネートされていた主演男優賞を受賞。長いスピーチの中で、クリスへの暴力についてアカデミーや他の候補者らへの謝罪を述べたものの、クリス本人への謝罪の言葉は一切ありませんでした。
◆アカデミー会員を除名される可能性も
授賞式を終え、アフターパーティ会場ではご機嫌な様子をキャッチされていたウィル。アカデミーが彼に対して何らかのペナルティを与えるかどうかは、すぐには明らかになりませんでした。
しかし、月曜日に発表された声明の中で、アカデミーは「昨夜の授賞式におけるスミス氏の行動を非難します」「我々はこの事件に関して正式に調査を開始し、我々の細則、行動基準、カリフォルニア州法に従ってさらなる措置と結果を検討します」と厳しい姿勢をとっていることを明らかにしました。
アカデミーの行動規範では、「いかなる形態の虐待、ハラスメント、差別にも断固反対する」「人間の尊厳の尊重、包括、創造性を育む支援環境という価値観を守ることをアカデミー会員に求めている」としており、もし違反した場合は、「アカデミー会員からの一時停止や除名、アカデミー賞の取り消し、将来の受賞資格の喪失などの処分が下される可能性がある」と言及しているのだとか。
アカデミーの声明が発表された後、ウィルはインスタグラムに次のような謝罪の声明を投稿し、深く反省していることを示しました。
「どのような形であっても暴力は毒であり、破壊的です。昨夜のアカデミー賞での私の行動は、受け入れがたいものであり、許しがたいものでした。私を犠牲にしたジョークは仕事の一部ですが、ジェイダの病状に関するジョークは耐え難く、感情的に反応してしまいました」「公に謝罪したいと思います、クリス。私は言い過ぎましたし、間違っていました。恥ずかしながら、私の行動は、私がなりたい男性像ではありませんでした。愛と優しさのある世界に、暴力の居場所はないのです」
◆クリスはジェイダの脱毛症を知らなかった!?
いっぽう殴られたクリスは現在の時点において、この件に関してノーコメント。「TMZ」によると、クリスとウィルはまだ個人的に何も解決しておらず、2人の間には何のコミュニケーションもないのだとか。
また、クリスはジェイダが脱毛症に苦しんでいることを知らなかったという説も浮上しています。
「PageSix」によると、クリスはアフターパーティでは平然とした様子だったそうで、人々は彼の周りに集まってきたそう。「彼はそのことについて話していて、ただクレイジーだと言っていましたが、何一つ気にしているようには見えませんでした」と関係者はコメントしています。
誰が、どの作品が授賞したかよりも、ウィルのビンタ事件の印象が強い今年のオスカー。事件の収拾については、アカデミーも慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。