エリザベス女王が、8日、96歳で生涯を閉じました。イギリス史上、歴代最長となる70年にわたって在位し続け、イギリス国民のみならず、世界中から深く尊敬され、敬愛された女王の死を英メディアが大きく報じています。
「Daily Mail」によると、女王は昨年死去したフィリップ皇太子への想いが詰まったスコットランドのバルモラル城で最後の夏を幸せに過ごしたそうです。
女王は死の直前の数ヶ月間、散歩やピクニック、バーベキューなどを楽しみ、家族や友人を次々ともてなしたのだとか。女王の最後の夏は、ここ数年で最も幸せなものとなったといいます。バルモラル城は最愛のフィリップ殿下との思い出で溢れており、最も困難な時期を乗り越えた後の大きな慰めの源となったそうです。
王室と密接な関係にある情報筋によると、最近の女王はいかなる慢性疾患も患っていなかったのだとか。また別の人は、「女王は体重を大幅に減らし、96歳の女性が感じると思われるあらゆる痛みを感じ、足の痛みに関する悩みを抱えている」とも語っています。
♦家族を巡る問題で「深い精神的負担」も
ここ数年、スキャンダル続きだった英王室。ヘンリー王子(37)とメーガン妃(41)のアメリカへの移住や王室批判は大きなスキャンダルとして報じられました。また、アンドリュー王子(62)に渦巻く疑惑(17歳少女への性的暴行疑惑)が重なり、女王はこの2年間で「深い精神的負担」を強いられていたといいます。
「陛下は常に控えめでしたが、それが精神的にどんな打撃を与えたか、ご自身の目で見ることができます。大きな心痛をもたらし、決して楽な時間ではなかったのです」とある関係者。
そんな女王にとって、今年の夏は心穏やかに過ごせた幸せな時間だったといいます。女王は7月末にバルモラルに到着。まずロイヤル・ディーサイドにある、小さく快適な7ベッドルームのクレイゴワン・ロッジに移り、8月9日にそこから1マイル(約1.6km)離れたバルモラル城に移ったそう。ハイランド地方の空気が快適さと安心感をもたらしたようです。
女王に同行したのは、最後まで女王に付き合うと誓った、ごく少数の忠実なスタッフたちだったのだとか。
♦周囲が抱いていた健康不安
「Daily Mail」の王室担当記者レベッカ・イングリッシュによると、数日前に女王に会った別の王室関係者は、女王は『本当に元気』だと語っていたといいます。
今週火曜日には、新旧の英首相に会うだけでなく、任命式や簡単な事務処理も行ったそう。その一方で、舞台裏では、女王がウィンザー城に戻った際の肉体的な負担を慮って、バッキンガム宮殿の幹部の間で急速に懸念が高まっていたのだとか。そのため、チャールズ皇太子が女王の日常的な公務のほとんどを引き継ぐことができるように、すでに仕組みが作られていたともいいます。しかし、急激な体調の変化までは予測していなかったようです。
25歳で即位し、最後まで国民の女王として寄り添い続けたエリザベス女王。国民が大きな悲しみにあるのは想像に難くありません。
女王が最愛のフィリップ殿下と幸せな時間を過ごした場所で、最後の時を過ごしたことは慰めになると同サイトは伝えています。