- 2024-1-11
- ENTERTAINMENT
- コット、はじまりの夏
2023年の第95回アカデミー賞🄬国際長編映画賞ノミネートをはじめ、第72回ベルリン国際映画祭 グランプリ受賞(国際ジェネレーション部門/Kplus)ほか世界の映画賞で42受賞、60超ノミネートの快挙を果たした「The Quiet Girl(英題)」が、『コット、はじまりの夏』として1月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイント他にて全国公開される。
1981年、夏のアイルランドを舞台に、9歳の少女・コットが親戚夫婦と過ごしたひと夏の思い出と、3人の愛おしい絆を描いた本作は、『わたしは最悪。』『燃ゆる女の肖像』など若く作家性の強い才能を世に送り出して来た気鋭のスタジオNEONが北米配給権を獲得。
海外で「この数年で最も胸を打つ映画」(Rolling Stone)、「映像は歌うように美しいだけでなく、息を吹き込んでいる」(New Statesman)、「なんとも優しい宝石のような映画。絶妙な小津風の映像と演技に感動し最後に涙する」(マーク・カズンズ/映画監督)と、海外で多くの映画人や映画ファンを魅了。主人公のコットを演じるのは、本作が初演技のキャサリン・クリンチ。圧倒的な透明感と存在感で見事に表現し、史上最年少の12歳でアイランドのアカデミー賞と呼ばれるIFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を獲得。監督・脚本は本作が長編初監督となるコルム・バレード。これまでドキュメンタリー作品を中心に、子どもの視点や家族の絆を繊細に映し出し、本作でも少女の心情に丁寧に寄り添い、静かながらも深い感動を世界中に与えている。
離れたくない―。少女コットと里親夫婦に芽生えた固い絆と、ひと夏限りの3人の愛おしい時間。
新予告映像【夏よ終わらないで】編&新場面写真が解禁!
母親が出産するまでの夏休みを、遠い親戚の家に預けられることになった主人公のコット。家族の中でも孤独だった9歳の少女は「お父さんが好きなだけ預かっていいって」と力なく言うが、里親となるキンセラ夫婦は「私たちは嬉しいわ」と温かく迎え入れる。映像では、新しい洋服を買ってもらったり、一緒に食卓を囲んだり、手をつないで歩いたり…はじめは戸惑いながらもキンセラ夫婦からの愛情を受け取ったコットが閉ざしていた心をゆっくり解放していく姿と、ひと夏をかけて3人が心を通じ合わせていく様子が描かれる。
家族以上に固い絆で結ばれていく3人にやがて訪れる別れの時。成長したコットが「離れたくない」と自らの意思を伝えるが…。最後に音楽家・青葉市子の「やっと見つけた、わたしの居場所―」という透き通るようなナレーションが印象的な今回の予告は、終わりが来ると分かっているからこそ、3人の愛おしい時間に切なさが込み上げる内容となっている。
本作をいち早く鑑賞した著名人からのコメントも到着!
また、本作を一足早く見た各界の著名人からコメントが到着!脚本家で、連続テレビ小説「ひよっこ」、『余命10年』のほかNetflixオリジナルシリーズ『さよならのつづき』が控える岡田惠和は「なんて静かで美しい映画なんだろう。コットが走るだけで、たまらなく幸せな気持ちになる。希望と光の映画をありがとう。」とコメントを寄せている。また、『浅田家!』、『湯を沸かすほどの熱い愛』などで知られる映画監督の中野量太からも「何気ない日常と大人の優しい眼差しがあれば、子どもは自然と輝きだし、その小さな光が、今度は大人に、何気ない日常を生きる力を与えてくれていることを知りました。」とコメントが到着。そのほか今回の予告でナレーションを務める青葉市子(音楽家)、伊藤さとり(映画パーソナリティ)、小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)、児玉美月(映画文筆家)らも本作にコメントを寄せている。
<コメント※順不同、敬称略>
●岡田惠和(脚本家)
なんて静かで美しい映画なんだろう。コットが走るだけで、たまらなく幸せな気持ちになる。
世界中にいる、コットのように自分を持て余し、居場所のなさに言葉を失ってしまっている人たちに、
どうか心穏やかに過ごせる場所が訪れますように。希望と光の映画をありがとう。
●青葉市子(音楽家)
静けさに降る声へ、じっと耳を澄ませます。
アイルランド語の響き、木漏れ日の音、呼吸、光。宇宙のことを、ほとんど私たちが知らないように。
言葉にできないことが、この世にはたくさん散りばめられていることを感じられる映画です。
●中野量太(映画監督)
何気ない日常と大人の優しい眼差しがあれば、子どもは自然と輝きだし、
その小さな光が、今度は大人に、何気ない日常を生きる力を与えてくれていることを知りました。
子どもは、大人がいないと生きていけないけれど、大人は、子どもを守らないと、未来なんて無い。
今、必要な映画だと思いました。
●小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)
「はぐれ者」と呼ばれたコットが、たしかな足取りで駆けてゆく。
自分の意志で、前だけを見て、大きく腕を振って。
大地も、木々も、空も、彼女を祝福するように輝いている。
誰かに受け止められた経験が、子どもの世界を大きく変えるということを、ひと夏の光の中に見た。
●児玉美月(映画文筆家)
車内に差す陽光が身体をあたたかく包み、冷たい水が渇いた喉を癒やし、 海の波打つ音が侘しい心を奏でる。
絶望に満ちたかつての若い季節を生き存えさせていたのは、
周囲にいた大人ではなく、ふとした瞬間の世界の囁きだったかもしれない。
けれども少女は歩む道の先のどこかで、大人たちもまたそれぞれに絶望を生きているのだとやがて知ってゆく。
●伊藤さとり(映画パーソナリティ)
あの時、少女はどう思ったのか。いつもまでも迎えに来ない家でどんな思いで暮らしていたのか。
甘えられずに大人の話を黙って聞き、何を感じていたのか。
大人の弱さも意地悪さも小さな体で受け止めて。
一緒に何かをすることだけが幸せ。言葉に出来ない子どもの感情が溢れ落ち、胸がギュッとなった。
『コット、はじまりの夏』
1月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開
配給:フラッグ
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