- 2024-6-23
- ENTERTAINMENT
侯孝賢(ホウ・シャオシェン)プロデュース、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエン監督による台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』が6月14日(金)より新宿武蔵野館ほかにて絶賛公開中。
この度、門脇麦、監督のシャオ・ヤーチュエン、そして音楽プロデューサーのクリス・ホウのスペシャル鼎談映像が解禁となった。
台湾ニューシネマの旗手・侯(ホウ)孝(シャオ)賢(シェン)が次世代を託したシャオ・ヤーチュエン監督最新作!
台北金馬映画祭で4冠達成の感動のヒューマンドラマ、絶賛公開中!
バブル期の到来を迎えた台湾。11歳のリャオジエ(バイ・ルンイン)は、父(リウ・グァンティン)と二人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャ(アキオ・チェン)だった。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。果たしてリャオジエは、どちらの道を歩んでいくのか…。
1989年『悲情城市』でヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞。2015年『黒衣の刺客』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。小津安二郎への敬愛から『珈琲時光』を製作し、昨年10月には引退を発表した侯孝賢。そんな侯孝賢監督作品の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエンが監督を務めた本作。
これまでのシャオ・ヤーチュエン監督作全てのプロデュースを侯孝賢が務めており、本作が最後のプロデュース作となる。昨年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映され、人生の選択肢を知って成長していく少年と、彼を優しく見守る父の姿に心打たれる人が続出。2023年の第60回台北金馬映画祭で監督賞、最優秀助演男優賞(アキオ・チェン)、最優秀映画音楽賞、衣装デザイン賞の4冠を達成。先日発表された2024台北電影奨では、10部門でのノミネートを果たすなど、新たな台湾映画の傑作が誕生した。
主演のリャオジエには『Mr.Long/ミスター・ロン』などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では神童と呼ばれる天才子役バイ・ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』のリウ・グァンティンがW主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じている。リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役には、台湾の名脇役アキオ・チェン。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』のユージェニー・リウ。そして、門脇麦が経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演を果たした。
「ありがとうNetflix」撮影現場では配信で見た作品の話でもちきりに
音楽監督からは台湾の人気アーティスト動力火車、Yellow黄宣起用の貴重なエピソードを披露
先週末より上映がスタートした本作、SNS上では「開始2分でこれは良い台湾映画だ、と思える映画だった。」「これは今年のベスト10に入ると思う。おすすめ。」など絶賛コメントで溢れかえっている。この度本作の公開を記念して、撮影以来約1年ぶりに台湾を訪れたというヤン・ジュンメイ役の門脇麦と、シャオ・ヤーチュエン監督、そして本作で台湾金馬映画祭最優秀音楽賞を受賞した『藍色夏恋』『あの頃、君を追いかけた』などでお馴染みの音楽プロデューサークリス・ホウのスペシャル鼎談映像が解禁となった。
映像では、台湾映画が昔から好きだったという門脇がそのきっかけについて「あまりはっきりとは覚えていないんですが、DVDのジャケットを見て良さそうだなとか思ったのがきっかけだと思います。10代の頃から見ていて侯孝賢監督の作品が多かったです。最近サブスクでさらにいろんな監督の作品を見ました」。
監督も日本映画について尋ねられると「(日本映画を)たくさん見ています。黒澤明監督、小津安二郎監督などから好きになりました。台湾の映画業界自体があの時代の日本映画の影響を受けていました。侯孝賢監督も客観性などをそこから得たりしたので、その時代から見始めました。『浅草キッド』で門脇さんを見た時に、すごく素敵だと思って惹かれました」と語った。
音楽監督のクリスも「僕も子供の頃から日本映画を見ています。監督と同年代なので黒澤監督や小津監督などの昔の作品を見ていました。ただ、両親の時代はチャンバラのような時代劇がとても流行していたので、チャンバラなどをたくさん見ました。そして、監督からこの作品に門脇さんが参加するという話を聞いてたまたま『浅草キッド』を見たばかりだったのですごく楽しみにしていました」と語った。さらに撮影で印象に残ったことを聞かれると「撮影部や録音部のスタッフの方がみんな、「『浅草キッド』見ました」とか、「『あのこは貴族』見ました」とか「『さよならくちびる』見ました」意外と皆さん見てくださっているんだなというのが嬉しかったです。逆にグァンティンさんに『ひとつの太陽』見ましたって言ったら「ええええええええ!!」ってすっごいびっくりしていました(笑)」とここでもサブスクが台湾と日本の映画業界の距離を縮めるのに一役買ってくれていたようで監督が「ありがとうNetflix」と爆笑をかっさらった。
さらにクリス・ホウ音楽監督から本作のメインの2曲において、台湾の大人気アーティストYELLOWのボーカル黄宣と、動力火車を起用した理由について「”When I Fall In Love”は有名な曲だから元の曲と比べられてしまうし、同じような人ではなく違う人から選びたいと思ったのですが、それで若い人を選ぼうとしたが情感がなかったりした中、YELLOWの黄宣のコンサートを見たら非常に魅力を持った人で、きっと違う解釈で歌ってくれるだろうと大きなチャレンジでした。もう一つは動力火車が歌ってくれたんですが、彼らは僕らと同じくらいの年齢なんです。この映画の時代を経てきた年代が歌うのでストーリー性や臨場感が出て彼らの今までのスタイルとは違うけれど問題ありませんでした。僕が今までやった仕事の中で非常に成功したケースです」と台北金馬映画祭最優秀映画音楽賞受賞を裏付ける貴重なエピソードが明かされた。他にもこの日台合作映画の誕生秘話や、門脇が演じたヤン・ジュンメイというキャラクターについて、作品から感じたことなど舞台挨拶などでは語られていないエピソードが盛りだくさんの映像となっている。
『オールド・フォックス 11歳の選択』
新宿武蔵野館ほか絶賛公開中
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